
フィロデンドロン・バーキンは、美しい斑模様と個性的な葉の形が魅力の観葉植物です。
しかし、育てているうちに葉が広がりすぎたり、形が乱れてしまったりすることに悩む方も多いのではないでしょうか。
コンパクトに育てたい、美しい姿を保ちたいと考えている方に向けて、適切な管理方法をご紹介します。
この記事では、仕立て直しの方法や支柱を使った管理、剪定の適切なタイミングについて詳しく解説します。
また、株分けで増やす方法や、水差しを活用した繁殖テクニックも紹介するので、フィロデンドロン・バーキンを増やしたい方にも役立つ内容となっています。
さらに、葉が茶色くなる原因や、斑がなくなる理由とその対策についても触れていきます。
環境による影響だけでなく、水やりの頻度や育成環境の見直しが重要なポイントとなるため、適切なケアを実践することが大切です。
屋外での管理を考えている場合も、置き場所や日照条件に注意しながら育てることが必要になります。
伸びすぎたフィロデンドロン・バーキンを美しく整えるための方法を知り、理想的な姿を維持できるよう、適切な管理を心がけましょう。
ポイント
- フィロデンドロン・バーキンが広がる原因と対策
- 仕立て直しや支柱を使ったコンパクトな育て方
- 株分けや水差しによる増やし方
- 葉が茶色くなる原因や斑が消える理由とその予防策
フィロデンドロン・バーキンが広がる原因と対処法
- 伸びすぎたときの仕立て直し方法
- 剪定はどこを切ればよい?
- 支柱を使ってコンパクトに育てるコツ
- 株分けで増やすときのポイント
- 屋外で育てる際の注意点
伸びすぎたときの仕立て直し方法

フィロデンドロン・バーキンが伸びすぎてしまうと、見た目のバランスが悪くなるだけでなく、株元の葉に十分な光が届かなくなり、健康な成長を妨げることがあります。
適切な仕立て直しを行うことで、樹形を整えながら健康な生育を促すことが可能です。
まず、伸びすぎた原因を確認しましょう。
多くの場合、日照不足や肥料の過剰供給が原因となります。
日当たりの悪い環境では、植物が光を求めて徒長し、細長く伸びてしまうことがあります。
また、窒素成分が多すぎる肥料を与えすぎると、葉や茎ばかりが成長し、全体のバランスが崩れてしまうことがあります。
このような状況を防ぐためにも、まずは置き場所と施肥の頻度を見直すことが重要です。
仕立て直しを行う際は、まず剪定を行います。
剪定バサミを清潔にし、不要な茎や葉を切り戻しましょう。
特に、徒長している部分や重なり合っている葉を間引くことで、風通しを改善し、株全体に光が届きやすくなります。
剪定後は、支柱を使って姿勢を整えるのも効果的です。
適度な支えを与えることで、フィロデンドロン・バーキンの樹形を美しく保つことができます。
さらに、株元がスカスカになってしまった場合は、株分けや挿し木で新たに増やすのもひとつの方法です。
剪定した茎を水差しして発根させれば、新たな株として育てることができます。
こうした方法を取り入れることで、伸びすぎた部分を有効活用しながら、全体の形を整えることが可能です。
最後に、仕立て直しをした後は、水やりと肥料の管理を慎重に行いましょう。
剪定直後は水を控えめにし、根の負担を軽減することが重要です。
また、新しい葉が出始めるまでは肥料を与えず、植物が回復するのを待ちます。
こうしたケアをしっかり行うことで、フィロデンドロン・バーキンを美しく健やかに育てることができます。
剪定はどこを切ればよい?

フィロデンドロン・バーキンを健康的に育てるためには、定期的な剪定が欠かせません。
しかし、どこをどのように切ればよいのか分からないという方も多いでしょう。
剪定の目的は、形を整えるだけでなく、株全体の健康を維持することにもあります。
剪定の適期は春から秋にかけての生育期です。
この時期に行うことで、植物の回復が早くなり、剪定後の成長もスムーズになります。
逆に、寒い冬の時期に剪定を行うと、回復が遅れ、枯れるリスクが高まるため注意が必要です。
剪定すべき部分のポイントは、大きく分けて3つあります。
徒長した茎
長く伸びすぎた茎は、株全体のバランスを崩しやすいため、適度に切り戻すことが必要です。
目安として、他の枝よりも極端に長くなっている部分や、株元がスカスカになっている部分を選びましょう。
剪定後は、新しい芽が出やすくなり、全体の形が整いやすくなります。枯れた葉や傷んだ部分
枯れたり、茶色く変色した葉は、病気や害虫の温床となることがあるため、早めに取り除くことが重要です。
また、傷んだ葉を放置すると、健康な部分にも悪影響を及ぼす可能性があるため、適切なタイミングで剪定しましょう。密集しすぎた葉や枝
フィロデンドロン・バーキンは茎が密集しやすい植物です。
特に内側の葉が重なりすぎている場合は、適度に間引くことで風通しをよくし、病害虫の発生を防ぐことができます。
風通しを確保することで、葉がより元気に成長するようになります。
剪定を行う際は、必ず清潔なハサミを使用し、切り口がスムーズになるようにしましょう。
切り口がギザギザしていると、傷口から病原菌が入りやすくなるため注意が必要です。
剪定後は、切り口に水が溜まらないよう、風通しの良い場所で管理することも重要です。
また、剪定した茎を使って挿し木を行うこともできます。
適切な部分を選んで水差しをすれば、数週間で発根し、新たな株として育てることが可能です。
こうした方法を活用すれば、剪定した部分を無駄にせず、新しいフィロデンドロン・バーキンを増やすことができます。
支柱を使ってコンパクトに育てるコツ

フィロデンドロン・バーキンは、成長するにつれて葉が広がりやすく、姿勢が乱れやすい植物です。
特に、支えなしで育てていると、葉が重みで垂れ下がったり、茎が曲がったりすることがあります。
こうした問題を防ぐために、支柱を使ってコンパクトに育てることが重要です。
支柱を使用する最大のメリットは、植物の姿勢を整えながら、見た目を美しく保つことができる点です。
特に室内で育てる場合、コンパクトにまとまった樹形の方が管理しやすく、インテリアとしても映えるでしょう。
また、支柱を使うことで、葉や茎が均等に日光を浴びることができ、健康的な成長を促す効果も期待できます。
支柱を立てる際のポイントは、以下の3つです。
適切な支柱の選び方
フィロデンドロン・バーキンには、太めの園芸用支柱や、ココヤシポールのような水苔を巻いた支柱がおすすめです。
特に、気根が発生する品種なので、水苔を巻いた支柱に絡ませることで、より安定した成長を促すことができます。支柱の設置方法
支柱は、植物の中心に近い位置に設置し、茎を優しく結びつけます。
結ぶ際には、植物に負担をかけないよう、麻紐やゴム製のバンドを使うとよいでしょう。
強く締めすぎると、茎が傷つく原因になるため、少し余裕を持たせて結ぶのがポイントです。成長に応じた調整
フィロデンドロン・バーキンは比較的成長が早いため、定期的に支柱の固定位置を調整する必要があります。
葉が大きくなるにつれて、新しい部分を支柱に誘導し、バランスよく支えていきましょう。
支柱を使うことで、葉や茎がまとまりやすくなり、狭いスペースでも育てやすくなります。
特に、長期間同じ鉢で育てたい場合や、すっきりとした樹形を維持したい場合には、支柱を活用することをおすすめします。
株分けで増やすときのポイント

フィロデンドロン・バーキンは株分けによって簡単に増やすことができます。
特に、大きく成長した株をコンパクトに整えたいときや、鉢の中が根詰まりしていると感じたときに有効な方法です。
株分けを成功させるためには、適切な時期の選定と、丁寧な作業が欠かせません。
まず、株分けに最適な時期は 5月から8月の成長期 です。
この時期は気温が高く、植物の根が活発に活動しているため、分けた株もスムーズに根付くことが期待できます。
寒い冬や、成長が鈍る秋に株分けを行うと、回復に時間がかかり、最悪の場合は枯れてしまうこともあるため注意が必要です。
次に、株分けを行う際の手順について解説します。
道具を準備する
株分けには、清潔な剪定バサミ、スコップ、新しい鉢と用土(観葉植物用の土がおすすめ)、鉢底石を用意します。
また、作業後の植え替え時に根の乾燥を防ぐため、霧吹きもあると便利です。親株を鉢から取り出す
鉢の縁を軽く叩きながら、フィロデンドロン・バーキンを鉢からゆっくりと取り出します。
このとき、根を傷つけないように注意しましょう。
根が鉢の中で絡み合っている場合は、無理に引っ張らず、根の周りの土を優しくほぐしていきます。根の状態を確認しながら分ける
親株を観察し、いくつかの小さな株に分けられそうな部分を探します。
子株が十分に成長しており、独立した根を持っているものを選ぶと、株分け後の定着がスムーズになります。
根が絡まりすぎている場合は、清潔な剪定バサミを使って、慎重にカットしましょう。新しい鉢に植え付ける
分けた株をそれぞれの鉢に植えます。
鉢底に鉢底石を敷き、観葉植物用の土を1/3ほど入れたら、株を中央に置き、残りの土を隙間なく詰めていきます。
根がしっかり土に馴染むように、軽く押さえながら植え付けましょう。水やりと管理
植え替え直後は、たっぷりと水を与えます。
ただし、その後の1週間は過度な水やりを避け、土が乾きかけたら少しずつ与える程度にします。
また、直射日光の当たらない明るい日陰で管理し、新しい葉が出るまで様子を見ましょう。
株分けの際に気をつけるポイントは、 根をできるだけ傷つけないこと と 小さすぎる株を無理に分けないこと です。
無理に分けてしまうと、根がうまく成長せず、枯れるリスクが高まります。
また、植え替えたばかりの株は環境の変化に敏感なため、風通しの良い場所で適度な湿度を保ちつつ、ストレスを与えないように管理しましょう。
このように、株分けを適切に行えば、健康な新しい株を増やすことができます。
フィロデンドロン・バーキンを増やしたい方は、ぜひ挑戦してみてください。
屋外で育てる際の注意点

フィロデンドロン・バーキンは基本的に室内向きの観葉植物ですが、適切な環境を整えれば屋外でも育てることができます。
ただし、気温や日当たり、湿度など、いくつかの重要なポイントに注意しないと、葉焼けや根腐れなどのトラブルが発生する可能性があるため、慎重に管理することが求められます。
まず、 置き場所の選定が最も重要 です。
フィロデンドロン・バーキンは直射日光に弱く、強い日差しに当たりすぎると葉が焼けて茶色くなってしまいます。
特に夏場の強い日差しを避けるため、 明るい日陰や半日陰の場所に置くのが理想的 です。
例えば、ベランダや庭の軒下、木陰のような場所が適しています。
もし、適度な日陰を作れない場合は、遮光ネットを利用するのも良い方法です。
次に、 気温管理も欠かせません。
フィロデンドロン・バーキンは寒さに弱く、 最低でも10℃以上を保つ必要 があります。
春から秋にかけては屋外で育てても問題ありませんが、冬場は室内に移動させるのが安全です。
気温が急激に下がると葉が枯れる原因になるため、寒冷地に住んでいる場合は特に注意が必要です。
また、 水やりの頻度も調整が必要 です。
屋外では気温や風の影響で土が乾きやすくなるため、室内よりも頻繁に水を与える必要があります。
しかし、湿気がこもるような場所では根腐れのリスクが高まるため、 水はけの良い土を使用し、鉢底からしっかり水が抜ける状態にすること が大切です。
特に梅雨の時期や雨の多い地域では、長時間土が湿った状態にならないよう注意しましょう。
風通しも重要な要素です。
屋外では空気の流れが良いため、 病害虫が発生しにくい というメリットがありますが、強風が吹くと茎や葉が傷つくことがあります。
風が強い日は鉢を風の当たりにくい場所へ移動させるか、支柱を立てて安定させるのが良いでしょう。
最後に、 害虫対策を忘れずに 行いましょう。
屋外ではアブラムシやハダニなどの害虫が発生しやすくなります。
葉の裏に異変がないか定期的にチェックし、見つけたら早めに駆除することが大切です。
対策として、月に1回ほど葉水を与えたり、天然由来の防虫スプレーを使用するのも効果的です。
このように、屋外でフィロデンドロン・バーキンを育てる際は、 直射日光を避け、気温管理をし、水やりを適切に行うこと がポイントになります。
しっかり環境を整えれば、屋外でも元気に育てることができるので、適切な管理を心がけましょう。
フィロデンドロン・バーキンが広がるのを防ぐ方法
- 斑が消える原因と予防策
- 葉が茶色くなる理由と対処法
- 水差しで手軽に増やす方法
- 適切な水やりの頻度と管理方法
斑が消える原因と予防策

フィロデンドロン・バーキンの特徴的な魅力は、白から緑へと移り変わる斑模様ですが、育てているうちに斑が消えてしまうことがあります。
このような変化は、フィロデンドロン・バーキンの生育環境に大きく左右されるため、適切な管理をすることが重要です。
まず、 斑が消えてしまう主な原因 は「日照不足」です。
フィロデンドロン・バーキンの斑模様は、適度な日光を受けることで維持されます。
しかし、暗い室内や直射日光の当たらない環境で育てると、葉が十分な光を受け取ることができず、葉緑体の生成が促進されます。
その結果、本来白く残るはずの斑模様が緑色に変わってしまうのです。
これは植物が少しでも光合成をしやすくするための適応反応であり、自然な現象でもあります。
予防策として は、 明るい場所で管理することが不可欠 です。
ただし、直射日光に当てると葉焼けを起こす可能性があるため、 レースカーテン越しの日光が当たる窓辺 や、 半日陰の明るい環境 に置くのが理想的です。
特に、午前中の柔らかい日差しを受けられる場所に置くと、植物が健全に成長しやすくなります。
もし現在、日当たりの悪い場所で管理している場合は、少しずつ光の当たる環境へと移動させていきましょう。
急に強い光を当てるとストレスを受ける可能性があるため、時間をかけて調整することが大切です。
また、 過度な肥料の使用も斑が消える要因の一つ です。
肥料を与えすぎると植物の成長が促進される一方で、斑の部分にも葉緑素が増えてしまい、全体的に緑色が濃くなることがあります。
特に窒素分の多い肥料は葉を青々と茂らせる効果があるため、 肥料の種類や量に注意することが重要 です。
生育期の春から夏にかけては、緩効性肥料を2か月に1回程度施し、即効性の液体肥料を2週間に1回程度与えるのが適切なペースです。
さらに、 葉の成長による自然な変化 も考えられます。
フィロデンドロン・バーキンの新芽は白く生まれますが、成長とともに徐々に緑色が増していきます。
この変化は正常なものであり、全ての葉に均等な斑が入るわけではないため、ある程度は受け入れる必要があります。
もし斑が完全に消えてしまった場合は、 剪定を行って新しい葉を出させる 方法も有効です。
茎の先端を軽く切り戻すことで、新芽の発生を促すことができます。
新しく出てきた葉が白い斑を持っている場合は、その葉を育てることで斑のある状態を維持できる可能性があります。
このように、 日照環境の調整・肥料管理の見直し・剪定の工夫 によって、フィロデンドロン・バーキンの美しい斑を長く楽しむことができます。
葉の変化をよく観察しながら、適切な管理を続けていきましょう。
葉が茶色くなる理由と対処法

フィロデンドロン・バーキンの葉が茶色く変色してしまうのは、何かしらの環境要因が影響している可能性があります。
葉が健康な状態を保つためには、その原因を正しく理解し、適切な対処をすることが重要です。
葉が茶色くなる主な原因は以下の5つです。
1. 直射日光による葉焼け
フィロデンドロン・バーキンは強い日光にさらされると葉焼けを起こし、茶色い斑点や変色が発生することがあります。
特に夏場の強い直射日光に当たるとダメージを受けやすいため、 レースカーテン越しの日差しや半日陰の環境 で管理することが大切です。
もし葉焼けを起こしてしまった場合は、傷んだ葉をカットし、日陰へ移動させて回復を待ちましょう。
2. 水のやりすぎによる根腐れ
水を与えすぎると根が常に湿った状態になり、 根腐れを引き起こす原因 となります。
根がダメージを受けると水を十分に吸い上げられなくなり、結果として葉が変色してしまいます。
土の表面が乾いてから水を与える ようにし、特に冬場は水やりの頻度を減らすことがポイントです。
もし根腐れが疑われる場合は、根の状態を確認し、傷んでいる部分を剪定して新しい土に植え替えると回復しやすくなります。
3. 水不足による乾燥ストレス
逆に、水不足も葉が茶色くなる原因の一つです。
特に夏場の乾燥した環境では、水分が不足しやすく、葉の先端が茶色く枯れることがあります。
水やりのタイミングを見直し、 春夏は土の表面が乾いたらたっぷりと水を与える ようにしましょう。
また、葉の乾燥を防ぐために 葉水を適度に行う ことも効果的です。
4. 寒さによるダメージ
フィロデンドロン・バーキンは 寒さに弱い植物 であり、気温が10℃以下になると葉が傷みやすくなります。
特に冬場の窓際や玄関など、冷たい空気が入りやすい場所では葉が茶色く変色することがあるため、 最低10℃以上を保てる室内の暖かい場所で管理することが重要 です。
また、暖房の風が直接当たると乾燥して葉がダメージを受けるため、置き場所にも注意しましょう。
5. 肥料の過剰使用
窒素やリンが過剰に含まれる肥料を与えすぎると、 葉の組織がダメージを受け、変色することがあります。
肥料は生育期にのみ適量を施し、冬の間は控えるようにしましょう。
特に、化成肥料は濃度が高いため、使用量を守ることが大切です。
葉が茶色くなったときの対処法としては、以下のような対応が有効です。
ポイント
- 葉焼けした場合 → 直射日光を避け、遮光対策をする
- 根腐れが疑われる場合 → 根の状態を確認し、傷んだ部分をカットして植え替えを行う
- 水不足の場合 → 水やりの頻度を見直し、葉水を行う
- 寒さが原因の場合 → 室内の温かい場所に移動させる
- 肥料の影響が考えられる場合 → 肥料の使用量を調整し、控えめに施す
このように、葉が茶色くなる原因はさまざまですが、適切な環境を整えることで健康な葉を維持することができます。
日々の観察を怠らず、早めの対処を心がけましょう。
水差しで手軽に増やす方法

フィロデンドロン・バーキンは挿し木や株分けで増やすことができますが、手軽に挑戦できる方法として「水差し」があります。
水差しとは、切り取った茎を水に浸けて発根させ、その後土に植え替える方法です。
初心者でも簡単にできるため、フィロデンドロン・バーキンを増やしたい方におすすめです。
水差しで増やすための手順は以下の通りです。
1. 挿し穂を準備する
まず、健康なフィロデンドロン・バーキンの茎を選び、剪定バサミを使って切り取ります。
葉が2〜3枚ついている状態が理想的 です。
切り取る際は、 茎の節(根が生えてくる部分)が含まれるように することが重要です。
剪定バサミは事前に消毒しておくと、雑菌の侵入を防げます。
2. 水に挿す
切り取った挿し穂は、 透明なグラスやボトルに入れた水に挿します。
水の量は、茎の切り口がしっかり浸る程度が適切です。
葉が水に触れると腐敗の原因になるため、 水に浸かるのは茎の部分だけ にしましょう。
3. 設置場所と管理
水差しにしたフィロデンドロン・バーキンは、 明るい日陰やレースカーテン越しの光が当たる場所に置くのがベスト です。
直射日光が当たると水温が上昇し、腐敗の原因になるため注意しましょう。
また、水は 3〜5日に1回を目安に交換 し、清潔な状態を保ちます。
水が濁ってきたら早めに取り替えることが大切です。
4. 発根の確認
1〜2週間ほど経つと、茎の節の部分から細い根が出てきます。
根が2〜3cmほど伸びてしっかりしてきたら、土に植え替える準備ができます。
もし1か月経っても発根しない場合は、 水温が低すぎたり、日当たりが不足していたりする可能性があるため、環境を見直しましょう。
5. 土に植え替える
発根した茎を新しい鉢に植え替えます。
観葉植物用の排水性・保水性のバランスが取れた土を使うと成長しやすくなります。
植え付けた後は、土が乾かないように水やりを行い、直射日光を避けて管理しましょう。
水差しのメリットは、発根の様子を目で確認できることです。
一方で、長期間水に挿しておくと根が柔らかくなり、土に植え替えた際に適応できないこともあるため、 発根後は速やかに植え替えることがポイントです。
この方法を活用すれば、手軽にフィロデンドロン・バーキンを増やすことができます。
管理がしやすいので、初心者の方でもチャレンジしやすい方法です。
適切な水やりの頻度と管理方法

フィロデンドロン・バーキンを健康に育てるためには、適切な水やりが欠かせません。
水やりの頻度や管理方法を誤ると、根腐れや乾燥による枯れの原因になってしまいます。
ここでは、成長期と休眠期の違いを踏まえた 適切な水やりのタイミングやポイント について詳しく解説します。
1. 季節ごとの水やりの頻度
春~夏(生育期):土の表面が乾いたらたっぷりと
春から夏にかけては、フィロデンドロン・バーキンの成長が活発になります。
この時期は 土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えることが大切 です。
ただし、 水の与えすぎは根腐れを招くため、土が常に湿っている状態は避ける ようにしましょう。
水やりのタイミングとしては、涼しい 朝や夕方 が適しています。
暑い日中に水をあげると、蒸れやすくなり根が傷みやすくなります。
秋~冬(休眠期):土が乾いてから2~3日後に水やり
秋から冬にかけては、気温が下がるとともに成長が緩やかになります。
そのため、 春夏と同じ頻度で水を与えてしまうと、根が吸収しきれず根腐れのリスクが高まる ため注意が必要です。
水やりは 土が完全に乾いてから2〜3日後を目安に しましょう。
また、冬場は寒さによるストレスを避けるため、 暖かい日中の時間帯に水やりをする のがポイントです。
2. 水やりの適切な方法
① 鉢底から水が流れるくらいたっぷりと
植物の根が均等に水分を吸収できるように、 一度にたっぷりの水を与える ことが重要です。
鉢の表面だけを濡らすのではなく、鉢底から余分な水が流れ出るくらいの量を与えましょう。
② 受け皿の水はこまめに捨てる
鉢の下に水が溜まると、根が常に水に浸かり 根腐れの原因 になります。
水やり後は 受け皿の水をすぐに捨てる ように心がけましょう。
③ 葉水を取り入れる
フィロデンドロン・バーキンは高湿度を好む植物のため、 霧吹きを使って葉にも水分を与える「葉水」 が有効です。
特に 乾燥しやすい冬場やエアコンの風が当たる環境では、週に数回の葉水 を行うと葉の健康を保つことができます。
3. 水やりの注意点
水のやりすぎに注意
「毎日水やりをすれば元気に育つ」と考えがちですが、 過度な水やりは根腐れの原因 になります。
土が湿った状態が長く続くと、酸素不足になり、根が呼吸できなくなってしまうため、水やりの間隔を守ることが大切です。温度の低い水は避ける
冬場は水道水が冷たくなりますが、 冷水をそのまま与えると根がダメージを受ける 可能性があります。
冬の水やりは、 常温の水を使うか、数時間室内に置いておいた水を与える と良いでしょう。水のやり方を変える
夏場の乾燥が激しい時期は、「腰水管理(鉢の底を水に浸して吸水させる方法)」を取り入れても問題ありません。
しかし、 通気性が悪い環境ではカビや根腐れの原因になるため注意 しましょう。
このように、水やりの頻度や方法は 季節や環境に合わせて調整することが重要 です。
植物の状態を観察しながら適切な水やりを行い、健康なフィロデンドロン・バーキンを育てていきましょう。
フィロデンドロン・バーキンが広がる原因と対策
最後にまとめます。
チェックリスト
- 伸びすぎる原因は日照不足や肥料の過剰供給
- 仕立て直しには剪定と支柱の活用が有効
- 剪定は徒長した茎や密集した葉を中心に行う
- 切り口は清潔なハサミで滑らかに整える
- 支柱を使うと葉の広がりを抑えてコンパクトに育てられる
- 株分けは根を傷つけないよう丁寧に行う
- 屋外での管理は直射日光と寒さを避けることが重要
- 斑が消えるのは日照不足や窒素過多が主な原因
- 斑を維持するには明るい日陰で管理するのが理想的
- 葉が茶色くなるのは日焼け、水不足、根腐れなどが要因
- 葉焼けを防ぐためにレースカーテン越しの光が適している
- 水差しでの増やし方は茎の節を水に浸し発根を待つ
- 水やりは季節に応じて頻度を調整する必要がある
- 冬場は水やりを控えめにし、根腐れを防ぐ
- 植物の状態を観察しながら管理方法を柔軟に調整することが大切
フィロデンドロン・バーキンが美しく育つためには、適切な環境管理が必要です。
もし土にダニが発生していると、植物の成長に影響を与えることがあります。ダニ対策をしっかり行いたい方は、『観葉植物の土に発生するダニの原因と効果的な対策方法』をご覧ください。
効果的な方法を紹介しています。