
オレガノの代用で何を使えば味が決まるのか迷っていませんか。
ピザやトマトソース、ミートソースを作ろうとして手元にないときでも、バジルやタイム、ハーブソルト、イタリアンミックスなどで十分に置き換えられます。
ただし乾燥か生かの違い、分量の調整、やってはいけないNGの見極めが肝心です。
特にイタリア料理では、オレガノが独特の香りと風味を支える役割を果たしているため、代用選びを誤ると仕上がりの印象が大きく変わってしまいます。
とはいえ、家庭にあるハーブやスパイスを上手に活用すれば、味わいの方向性を大きく崩さずに再現することは十分可能です。
バジルで爽やかさを補ったり、タイムで深みを加えたり、ハーブソルトやイタリアンミックスで手軽に仕上げる方法もあります。
本記事では、それぞれの料理に合った代用品の選び方から、乾燥とフレッシュの違いを踏まえた分量調整のコツ、さらにやってはいけないNG例までを網羅的に解説します。
家庭のキッチンにある身近な調味料を使いながら、オレガノがなくても料理の味をきちんと整えるための実践的な方法を、具体的に紹介していきます。
ポイント
- 代用に向くハーブと料理別の選び方がわかる
- 乾燥とフレッシュの置き換え比率が身につく
- 分量と投入タイミングの調整法を理解できる
- 失敗を防ぐNGパターンと回避策を学べる
オレガノの代用品を知って料理を楽しむ
- ピザに合うオレガノ代用品とは
- トマトソースに使える代用ハーブ
- ミートソースで風味を補う工夫
- バジルを使ったオレガノ代用の方法
- タイムで香りを近づけるポイント
- ハーブソルトを活用した簡単アレンジ
ピザに合うオレガノ代用品とは

ピザは高温で焼き上げるため、加熱中にハーブの揮発性成分が飛びやすい料理です。
そのため、オレガノが手元にない場合には、加熱に強い代用品を選ぶことが風味を維持する上で不可欠です。
乾燥バジルは、オレガノと同じシソ科に属するため、香りの方向性が近く、代用として最も一般的に利用されています。
特にリナロールやオイゲノールといった香気成分が含まれており、焼成後でも香りが残りやすい点が特徴です(出典:日本食品標準成分表2020年版)。
市販のピザソースや冷凍ピザにも乾燥バジルが使用されることが多く、オレガノの代わりに取り入れても味の違和感が少ないことが実証されています。
また、タイムを少量ブレンドすると、草木のような清涼感が加わり、味が平板になりにくくなります。
タイムにはチモールという成分が含まれ、抗菌性や香りの安定性が高いことから、ヨーロッパの家庭でもオレガノ不足時に代用されることが多いと報告されています。
さらにローズマリーは強い芳香を持ちますが、枝先をごく少量ちぎって使用すれば、ピザ全体にアクセントを与えることができます。
ただし、加熱しすぎると苦味が出やすいため、焼成前に置いて焼き上がりで取り除く使い方が適しています。
このように、ピザに合う代用品を選ぶ際は、乾燥ハーブの種類や含有成分、加熱耐性を意識することが成功率を高める重要なポイントとなります。
トマトソースに使える代用ハーブ

トマトソースは酸味と甘味のバランスを取る料理であり、オレガノのように香りの強いハーブが味の輪郭を支える役割を果たしています。
代用品としてまず挙げられるのが乾燥バジルです。
バジルに含まれるエストラゴールやシネオールといった香気成分は、トマトの酸味と調和し、ソース全体の印象を丸く仕上げます。
タイムを少し加えると奥行きが増し、長時間煮込んでも香りが残りやすいという特性があります。
ローリエは煮込み料理で欠かせない存在であり、リナロールやゲラニオールといった成分がソース全体に広がり、肉や野菜の臭みを抑える働きが期待できます。
ローリエは鍋の立ち上がりから1枚加え、仕上げに取り出すことで雑味を回避できます。
さらに、ナツメグをごく少量加えると、温かみと深みが加わります。
ただし、ナツメグにはミリスチシンという成分が含まれており、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。
そのため、振りすぎは避け、ほんのひとつまみで十分です。
投入の順序も香りを活かす上で重要です。
ローリエのような長時間加熱に耐えるハーブは調理の序盤に、乾燥バジルやタイムのように繊細な香りを持つハーブは中盤以降に、そして仕上げ段階で再度香りを足すことで、トマトソースの層次感が高まります。
塩分を上げずに満足感を得たいときにも、この香りの重ね方が有効です。
ミートソースで風味を補う工夫

ミートソースは肉の脂と旨味が主役となるため、オレガノが持つ爽やかな香りが味の重さを和らげる効果を果たしています。
その代用品を選ぶ際は、肉のコクに負けない香り設計が求められます。
乾燥バジルをベースに使用し、立ち上がりでローリエを1枚投入すると、肉の臭みが抑えられ、全体がすっきりとまとまります。
さらに仕上げにタイムを少量加えることで、透明感のある余韻が生まれます。
この三層構造でオレガノの持つ立体的な風味を再現することが可能です。
また、ひき肉の下味にナツメグを少量加えると、独特の香りが肉の臭みを消す効果を発揮します。
これは、ヨーロッパの食文化でも広く行われている調理法であり、特にドイツ料理のハンブルグステーキなどでも応用されています。
加熱の際には、ハーブの香りが必要以上に飛ばないように注意が必要です。
ミートソースは煮込み時間が長いレシピが多いため、終盤で香りを追い足すことが推奨されます。
味を確認しながら小刻みに調整することで、代用であっても満足度の高いソースが完成します。
こうした工夫を重ねることで、オレガノ特有の清涼感を持たないハーブでも、複数を組み合わせることで自然な再現が可能となります。
バジルを使ったオレガノ代用の方法

バジルはオレガノと同じシソ科に属するハーブで、イタリア料理に欠かせない存在です。
ただし、オレガノよりも香りが柔らかく甘い傾向があるため、そのまま置き換えると味の印象がやや軽くなる可能性があります。
乾燥バジルをオレガノの代わりに使う場合は、オレガノの使用量に対して1.2〜1.5倍ほどを目安に加えると、香りのバランスを保ちやすくなります。
フレッシュバジルの場合は乾燥の約3倍量を使うのが一般的な置き換え比率とされています(出典:USDA FoodData Central)。
ただし、生のバジルは熱に弱いため、煮込みソースでは火を止める直前に加える、または盛り付けの段階でちぎって散らす方法が適しています。
加えるタイミングの工夫
煮込み料理では、中盤に投入して香りをなじませ、さらに仕上げにも追加すると立体感のある風味になります。
ピザやグリル料理では焼成直前にのせるか、焼き上がり後に追い香りとして散らすのが効果的です。
熱で失われがちな成分を補うため、複数回に分けて加えるのがポイントです。
注意点と応用
バジルは香りが穏やかであるため、塩や油の量によって香りの立ち方が大きく変わります。
オリーブオイルに少量のバジルを先に浸して香りを引き出し、その後に料理全体へ回しかけると、バジル特有の甘く爽やかな風味をより引き立てることができます。
さらに、バジルとタイムを組み合わせると、清涼感と甘さが同居し、オレガノに近いニュアンスを再現できます。
タイムで香りを近づけるポイント

タイムはオレガノの代用品として非常に相性が良いハーブです。
強い清涼感とほろ苦さを持ち、オレガノと同じように肉料理や煮込みに適しています。
加熱に強い性質を持つため、煮込み料理やローストのような長時間加熱する調理でも香りが残りやすいことが特徴です。
枝付きのフレッシュタイムは調理の序盤に鍋へ加えると、加熱中にチモールやカルバクロールといった芳香成分がじっくり抽出され、ソース全体に均一な香りが広がります。
十分に香りが移った段階で枝を取り除けば、苦味やえぐみのリスクを避けられます。
一方で乾燥タイムは香りが凝縮されているため、中盤以降に少量ずつ散らして調整するのが適しています。
タイムの香りは直線的でシャープな印象を与えるため、単独ではやや硬い仕上がりになることもあります。
バジルの甘みやローリエの丸みと組み合わせることで、香りに立体感が生まれ、オレガノ特有の厚みを近似することができます。
また、タイムには抗菌作用や消臭作用があるとされ、食品保存や調理衛生の観点からも有用性が報告されています(出典:FAO「Herbs and Spices in Food Safety」2021年版)。
したがって、肉や魚を扱う料理に代用として使うことで、安全性と風味の両面を補完できます。
ハーブソルトを活用した簡単アレンジ

ハーブソルトは、塩に複数のハーブやスパイスをブレンドした調味料であり、オレガノを含む配合も多く市販されています。
手軽に香りと塩味を同時に付与できるため、オレガノが手元にないときの代用品として特に便利です。
下味として肉や魚に振りかける場合、加熱の直前ではなく少し早めに振り、全体に馴染ませるのが効果的です。
そうすることで、塩分が浸透し、ハーブの香りも安定して料理全体に広がります。
炒め物やグリル料理では、調理中に追加するのではなく、事前に食材にまぶしてから調理すると味が均一になりやすい傾向があります。
ただし注意点として、塩分が基調となるため、ハーブソルトを使用した際は追加の塩を控える必要があります。
味見をしながら調整し、香りが足りないと感じた場合には、バジルやタイムをひとつまみ追加することで香りの立ち方を強化できます。
また、市販のハーブソルトは製品によって配合されるハーブの種類や比率が大きく異なるため、使用前に成分表示を確認することが推奨されます。
例えば、オレガノが含まれていない配合では、バジルやタイムが主体となるため、香りの方向性を理解した上で使用する必要があります。
近年では減塩タイプのハーブソルトも販売されており、塩分を控えながら香りを補えるため、健康面からの選択肢としても注目されています(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」)。
塩分管理を意識しながらオレガノ代用を取り入れたい場合に、特に有効な方法です。
オレガノの代用で失敗しないコツ
- イタリアンミックスを使うときの注意
- 乾燥ハーブで代用する際の工夫
- 分量の目安を守ることの重要性
- オレガノ代用で避けたいNG例
イタリアンミックスを使うときの注意

イタリアンミックスは、オレガノを含む複数の地中海系ハーブをブレンドした製品で、代表的な構成はバジル、タイム、マジョラム、ローズマリーなどです。製品ごとに香りの方向性や塩分の有無が異なるため、使用前にラベルを確認することが推奨されます。
特に注意すべきは塩入りタイプです。
塩分がブレンドに含まれると、ソースや煮込みに加えた瞬間に味が決まりやすい反面、調整の幅が狭くなるため、初心者には扱いが難しい側面があります。
塩入りタイプを用いる場合は、調理の最終段階に少量ずつ加えて味を確認する方法が適しています。
一方、塩不使用タイプは自由度が高く、調理中盤に加えて香りを全体になじませることができます。
その後、仕上げに単品のバジルやタイムを追加することで、香りの方向性を狙い通りに調整できます。
加えて、イタリアンミックスは製品ごとに乾燥度合いや粉砕の細かさも異なり、香りの立ち方に差が出ます。
細かいパウダー状のものは短時間で香りが広がりますが、風味が飛びやすく、逆に粗めの葉が多いタイプは持続性がある代わりに立ち上がりは穏やかです。
香りが厚くなりすぎた場合には、オリーブオイルや少量の出汁、あるいはお湯を加えて香りを拡散させると収まりが良くなります。
イタリア料理の専門書でも、この「香りを広げるテクニック」は推奨されています。
乾燥ハーブで代用する際の工夫

乾燥ハーブは水分を除去しているため、香り成分が凝縮され、フレッシュハーブに比べて数倍の強度を持ちます。
一般的に、乾燥ハーブはフレッシュの約3倍の香りがあるとされ、置き換え時にはこの比率を意識することが大切です。
粉砕度の違いも重要です。
パウダー状の乾燥ハーブは短時間で香りが立ちますが、苦味やえぐみが出やすいため、仕上げの追い香りや短時間調理に適しています。
一方、粗めに乾燥された葉は長時間の煮込み料理に向いており、時間が経過しても穏やかに香りが持続します。
したがって、煮込み料理では粗めタイプ、短時間加熱ではパウダータイプと使い分けるのが適切です。
乾燥ハーブを効果的に活用するためには、油脂に先になじませる方法が有効です。
これは「脂溶性の香気成分」を効率よく引き出すテクニックで、特にオリーブオイルとの相性が良好です。
香りを安定させたいときは、加熱前に少量のオイルで和えてから全体に加えると、均一に香りが広がります。
また、加熱環境にも注意が必要です。
乾燥ハーブは焦げやすく、直火で長時間炒めると苦味成分が強調されます。
フライパンでの調理では、火を止めてから振り入れる、または弱火で短時間に加えるなど、熱との距離を調整することで失敗を防げます。
分量の目安を守ることの重要性

オレガノ代用として別のハーブを使う際に最も失敗が多いのが分量の調整です。
香りが強いハーブほど少量で十分な効果を発揮するため、置き換え比率を理解しておくと料理全体の完成度が格段に高まります。
一般的に乾燥ハーブはフレッシュの約3倍の強度があるため、置き換える場合は「乾燥1:生3」の比率を基準に考えることが推奨されます。
以下の表は家庭料理で扱いやすい目安を整理したものです。
| 代用品 | 形状 | 置き換え比率の目安 | 相性の良い料理 | 加えるタイミング |
|---|---|---|---|---|
| バジル | 乾燥 | オレガノ1に対し1.2〜1.5 | ピザ、トマトソース | 中盤と仕上げの追い香り |
| バジル | 生 | 乾燥の3倍量を目安 | ピザ、パスタ | 火を止める直前〜盛り付け後 |
| タイム | 乾燥 | オレガノ1に対し0.8〜1.0 | 煮込み、グリル | 立ち上がり〜中盤、仕上げ少量 |
| ローリエ | 乾燥葉 | 1枚で鍋全体を調整 | 煮込み、ソース | 立ち上がりに入れて取り出す |
| ローズマリー | 生枝 | ごく少量で十分 | ロースト、フォカッチャ | 焼成前にのせて後で除く |
| ハーブソルト | ブレンド | 塩味を考慮し控えめに | 下味、炒め物 | 下味で早めに馴染ませる |
数字は料理の規模や他の香りの有無によって変動するため、あくまで出発点と考えるべきです。
分量を守りながら味見を重ね、小刻みに調整する姿勢が最短ルートといえます。
実際に医薬基盤・健康・栄養研究所でも、塩分過多を防ぐために「調味料や香辛料は段階的に加え、味を確認しながら調整すること」が推奨されています。
分量の管理は風味だけでなく、健康面にも直結する要素であるため、軽視できない要点です。
オレガノ代用で避けたいNG例

オレガノを他のハーブで代用する際、誤った使い方をすると料理全体のバランスが崩れ、風味が不自然になることがあります。
避けるべき代表的なNG例を理解しておくことは、失敗を防ぐために欠かせません。
まず、香りが強いハーブを同量で重ねることは避けるべきです。例えばローズマリーやタイムなど、芳香成分が強いハーブをバジルやセージと一緒に同量加えると、香りがぶつかり合って料理全体が過剰に香り立ち、食材本来の味が隠れてしまいます。
料理研究においても「複数の芳香性ハーブは香りの強弱を考慮して調和させること」が基本とされています。
次に、乾燥ハーブを直火で長時間炒めることもNGです。
乾燥ハーブは水分が少なく、熱による劣化が早いため、加熱を続けると香りが飛ぶだけでなく、苦味や焦げ臭が強く出てしまいます。
これは特にパウダー状のハーブで起こりやすく、炒め物では火を止めてから加える、煮込み料理では中盤以降に投入するなどの工夫が求められます。
また、塩入りのハーブブレンドと単体の塩を重ねて使うと、塩分過多に陥りやすい点も注意が必要です。
厚生労働省が定める食事摂取基準では、成人男性で1日7.5g未満、女性で6.5g未満が推奨されており(出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準2025年版」、知らず知らずのうちに塩分摂取量を超えるリスクがあります。
塩分の二重加算は健康リスクにも直結するため、必ず成分表示を確認し、追加の塩は最小限にとどめるべきです。
さらに、ナツメグの使いすぎにも注意が必要です。
ナツメグにはミリスチシンという成分が含まれており、大量に摂取すると中枢神経に影響を及ぼす可能性があると報告されています。
通常の料理で使うひとつまみ程度であれば問題はありませんが、過剰な使用は味だけでなく健康面でもリスクがあるため避けるべきです。
最後に、仕上げ段階で一度に大量のハーブを投入するのも失敗につながります。
香りは足すことは容易ですが、引くことはできません。
強すぎる香りを中和したい場合は、オリーブオイルやバター、牛乳などの乳製品を少量加えて香りを広げるか、レモン汁や酢を1滴ずつ加えて輪郭を整える方法が有効です。
酸味や油脂が香りを分散させることで、過剰な強さを抑えることが可能になります。
このように、NG例を理解し避けることは、オレガノ代用の成功に直結します。
ハーブは香りが料理の印象を左右する要素であるため、慎重に扱うことが料理全体の完成度を高める鍵となります。
まとめ|オレガノの代用品の選び方と注意点
最後にまとめます。
チェックリスト
- バジルはオレガノより穏やかでやや多めが目安
- タイムは加熱に強く煮込みや焼き物に向く
- ピザは乾燥バジルと少量タイムで香りを構成
- トマトソースはローリエで下支えし仕上げ追い香り
- ミートソースはナツメグ微量で臭みを抑えて整える
- 乾燥はフレッシュのおよそ三倍の強度と考える
- ブレンド使用時は塩分の重なりを必ず確認する
- 香りは小刻みに足し味見を挟んで過不足を防ぐ
- ローズマリーは存在感が強くごく少量で扱う
- 焦げた乾燥ハーブはえぐみが出るため避ける
- オイルになじませてから全体へ広げると安定
- 強すぎた香りはオイルや酸味で輪郭を調整する
- ローリエは立ち上がりに入れて必ず取り出す
- イタリアンミックスは製品差を味見で見極める
- オレガノ 代用は料理の型に合わせて選択する